月16時間超の作業がゼロに|不動産会社の資料作成をAIで自動化支援

支援事例

月16時間超の作業がゼロに|不動産会社の資料作成をAIで自動化支援

支援業種:不動産・住宅
支援内容:AI活用アシスト
事例_不動産会社の資料作成をAIで自動化支援

支援概要

不動産会社における取り扱い物件購入検討のための社内審査用資料の作成を、AIで自動化・効率化する環境構築を支援。現場の人にとって本当に使いやすい仕様を重視したことで、営業現場にAI活用が定着した。資料作成における転記作業が不要になり、営業活動に充てられる時間が増えただけでなく、社内にAI活用に積極的な空気が生まれた。

クライアント

業種:不動産

事業概要:不動産販売・賃貸・管理

支援前の課題

物件購入のための査定資料作成において、転記の手作業が多く、時間がかかっている。担当者のスキルレベルによる品質のばらつきや、記載ミスも発生しやすい状況。

ご相談内容

  • 査定資料の作成を、AIを使って自動化・効率化したい
  • スモールスタートで、現場の声を聞きながら自動化業務領域を広げたい

支援内容

  • AI活用に詳しいディレクター1名をアサイン
  • フェーズ1(1~4カ月目):AIを活用した自動化環境を実現し、現場に実装する
  • フェーズ2(5カ月目以降):フェーズ1を踏まえ、自動化環境の適用範囲を拡大

支援の進め方と工夫点

  • まずは自動化環境のプロトタイプを提示し、イメージをつかんでもらう
  • 実際の業務に落とし込み、現場の声を反映しながら精度や処理スピードを調整
  • 現場の人にとって「使いやすい」「助かる」仕様になるよう意識合わせに注力

支援成果

  • Claud APIを活用し、査定資料の転記項目を自動作成できる環境を実現
  • 営業現場にAI活用が定着し、積極的な意見が出るようになった
  • 他部署からもAI活用の相談を受けるようになった

ディレクターバンク営業担当コメント

クライアント様の代表から直接ご相談いただいた案件です。取り扱い物件を購入検討する際の、社内審査のための査定資料作成を、AIで自動化・効率化できないかとご相談を受けました。すでに業務にAIは利用されていましたが、それをどう活用すれば良いかわからないとのことでした。

当時のクライアント様の社内は、営業担当の方が営業の合間や帰社後に、PDFの物件情報を手作業で転記しながら資料を作成しているという状況。そこに時間がかかることで、本来の営業業務に支障が出ること、また担当者による品質のバラつき、転記ミスなども課題でした。

ご相談を受けてまず、AI自動化環境のイメージをつかんでいただくためにプロトタイプを作ってお見せしたところ、スムーズに支援へと進みました。支援にあたっては、最初から100%の完成品を開発するのではなく、実際の業務に落とし込みながら、現場で求められることに合わせて、AI自動化の精度や処理スピード、機能などを調整していく方針を採りました。

現在も進行中の案件ですが、現場にAIが定着し、積極的に機能の追加や改善のリクエストが上がってくる環境になっています。また、営業以外の部署からも、AIを活用した自動化・効率化のご相談をお受けしている状況です。

担当ディレクターインタビュー

棟近 直広
代表取締役

マーケティングとAI活用の両輪で、事業成長を支援する伴走者。新規事業やマーケティング戦略の立案から、Web集客、AIによる業務の効率化まで、「何から手をつけるべきか」を顧客と同じ視点で考え、課題解決を0→1から支援するのが得意。

ディレクターバンク株式会社を2016年に設立。400名超のWebプロフェッショナル人材ネットワークを構築し、これまで100社以上、多様な業界のWebマーケティング・AI活用を支援している。

1996年ニフティ株式会社に入社後、新規事業の企画部門に配属。2009年にモバイルビジネス部部長としてモバイルメディア事業を立ち上げ、その後サービス事業部長・新規プロジェクト室長を歴任。

2014年に分社化した富士通クラウドテクノロジーズ株式会社で中小企業のIT活用支援事業を統括した後、独立起業を志して退社し、現在に至る。

1970年兵庫県姫路市生まれ。山羊座のB型。好きな食べ物は「豆大福」。

AI活用は「試してみよう」が重要、スモールスタートで伴走していく

-本事例について、最初に相談を受けたときにどのような印象を受けましたか?

棟近:ご相談をお受けして、クライアント様の実現したいことの形はすぐに見えたので、まずはプロトタイプを作ってお見せしたところ、すぐに支援へとつながりました。

クライアント様はGoogle Workspaceを利用されていたため、AI活用において当初はGeminiの活用をイメージされていました。しかし今回の課題に対しては、Claud APIのほうが適切だと考えご説明したところ、すぐにご納得いただけました。

クライアント様のなかでやりたいことはあるものの、どういった選択肢があるのかという情報が乏しい状況だったため、踏み込めないところもあったのだと思います。

-プロトタイプの提案から、どのように実際の支援に着手し、進めていきましたか?

棟近:まずは必要最小限から始めて、現場の方の声を聞きながら、現場の業務が実際にどのように行われているのかに合わせて、精度や処理スピードの調整、機能の改善を行っていきました。

特にAIのような新しい技術を活用する際に共通することなのですが、最初から100%完璧なソリューションというものはまずありません。どんなソリューションも、自社に合うところもあれば、合わないところもあります。そしてそれは、やってみないとわからないところがあります。

100%でないと進めないとなると、新しい技術がそのレベルに達するまで待つしかなく、その間の経験や進化のチャンスを逃してしまいます。そして、それが競合との差になってしまいます。

AIのような新しい技術は、「まずは試してみよう」という精神がすごく大切だと思います。たとえば20%の完成度からでも、まずは小さく始めてみることで、やりたいことに対して、できることとできないことがわかります。その上でどうするか、知恵を出し合うことで、どう進めば良いかが見えてきます。

AIのような新しい技術を活用するプロジェクトでは、こういった価値観を関係者で共有できることが大切です。今回の案件でも、最初にその共通認識を持っていただけたことは、大きかったと思います。最初から完成品を提案してそれを作るというより、一緒に走りながら提案していくという形で進めさせていただきました。

現場の業務フローにおいて本当に「助かる!」仕組みでないと定着しない

-支援を進めるなかで、苦労した点や、逆に成果につながったと感じる点はありますか?

棟近:資料作成の自動化を正確に行うために、不動産ならではの情報や用語の意味を理解する必要があり、そこは最初に苦労したところです。ただ、最初にそういった必要な知識を学習したからこそ、その後の支援を進めやすくなりました。

また、仕組みを作るだけでなく、それを現場に定着させることも重要です。現場で面倒だと思われたらその仕組みは定着しません。「それができたら助かる!」と思ってもらえるよう、現場の担当者の方に業務フローを詳しく伺いながら、意識合わせに注力しました。

今回の案件では、営業の方が査定資料の基となる物件情報が記載されたPDFをメールでもらっていたので、そのまま転送すれば必要な情報が自動で転記されるという仕様にしました。この仕様なら、現地での商談後に情報を送ってもらい、移動中にスマホで転送、会社に着いたときには資料がほぼ作成されており、あとは追加で必要な情報を入力するだけです。

たとえば「実需物件」という居住や事業を目的とした物件の資料作成に、以前は1件あたり平均20分ほどかかっていたそうですが、今はそれがほぼ0分になっています。実需物件の査定資料作成は月約50件あったそうで、20分×50件=1000分(約16.7時間)の作業がなくなったのは、大きな成果と言えると思います。

もし、これを転送ではなくどこかにアップロードするという方法にしてしまうと、現場にとっては面倒に感じられたはずです。

また、以前は部門ごとに資料のフォーマットがバラバラだったのを、これを機にフォーマットを統一したいと現場の方からご提案いただき、それも実現しました。これにより、資料作成の工数がさらに少なくなり、属人化も解消できました。

支援する側からだけでなく、現場からも提案があがってくるのが良い流れ

-現場の方が、AI活用を積極的に考えてくださるようになっているんですね。そういった現場からの提案は、他にもありましたか?

棟近:それまでは各営業のローカルに保存されていた査定資料をクラウド上に共有して、過去のデータも検索できる仕組みを提案したところ、現場から好意的な反応が返ってきただけでなく、「Google Mapのようなインターフェイスにできますか?」と提案があり、実現しました。

また、検索の際に使うAIチャットの機能にも、いろいろなリクエストが上がっています。もともとは過去の類似物件などを参照できる作業効率化のための提案でしたが、インターフェースを改善することで、新しい物件情報の共有もスムーズになるという、二次利用の良い流れを作れた例だと思います。

-本案件は現在進行中のものですが、ここまでの進捗や成果を振り返って、特に良かったと感じるのはどのような点ですか?

棟近:私たち支援する側がWebマーケティングやシステム開発の視点で提案するだけでなく、現場の方々から、どうすれば自分たちの作業が生産的になるのかを提案いただけて、そのキャッチボールがうまくいったことで、現場で本当に使いやすい仕組みができていると感じます。

また、営業での取り組みを知り、他部署からも資料作成をAIで自動化・効率化できないかとご相談をいただいています。これも同じように、現場の方と意識を共有しながら進めていきたいです。

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