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AI検索からどう流入を確保する?SEOを基本としたLLMO実践アドバイス

SEO対策・集客支援
2026-01-30
(
2026-01-30
更新 )
河村 郁恵
AI検索からどう流入を確保する?SEOを基本としたLLMO実践アドバイス

ChatGPTやGeminiなどの対話型AIサービスで情報を検索するユーザーが増えるなか、生成AIに自社のコンテンツを引用してもらうための施策「LLMO」への注目が高まっています。本記事では、LLMOとは何か、SEOと何が違い、どのような考え方で取り組めばよいかを、SEOと比較しながら分かりやすく整理します。

さらに、これまで多くの企業のWebマーケティングを戦略立案の段階から支援してきたディレクター・峯林晃治さんに、LLMOで効果を出すために押さえるべきポイントや注意点について、現場視点での実践アドバイスを伺いました。

目次

LLMOとは?SEOとの違いと共通点

LLMOとは?

LLMOとは、Large Language Model Optimization(大規模言語モデル最適化)の略称です。ChatGPTやGeminiといった対話型AIサービスにおいて、ユーザーの質問に対する回答の中で、自社のWebページやコンテンツが引用・参照されやすくなるよう最適化する施策を指します。

近年、AI検索を使った情報収集は増加しています。総務省「令和7年版 情報通信白書」によると、日本国内で何らかの生成AIサービスを「使っている(過去に使ったことがある)」と回答した割合は、以下のように1年で大きく増加しています。

  • 2023年度:9.1%
  • 2024年度:26.7%

また、「生成AI・AIの利用意向」では、「調べものをするために使いたい」と回答した人も多く、情報検索の手段としてAI検索が定着し始めていることが分かります。

LLMOは、こうしたAI検索からの流入を意識した新しい最適化の考え方だと言えるでしょう。

SEOとの違いと共通点

LLMOを理解するうえで分かりやすいのが、SEOとの比較です。

SEOは、検索エンジンで上位表示され、ユーザーにクリックしてもらうことを目的とした最適化です。一方、LLMOは、対話型AIが回答を生成する際に、「参考情報」「おすすめ情報」「根拠となる情報」として自社のコンテンツを選ぶかどうかがポイントになります。

つまり、両者には以下のような違いがあります。

  • SEO:検索結果に「表示される」ための最適化
  • LLMO:AIの回答の中で「取り上げられる」ための最適化

ただし、両者に共通点も多くあります。サイト表示速度の改善や構造化マークアップといった技術的な対策に加え、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)という視点で、情報の質や信頼性が評価される点は、SEO・LLMOのどちらにおいても重要です。

LLMOは、SEOと対立するものではなく、SEOを土台に発展した考え方と捉えるのが現実的でしょう。

次に、これまで多くの企業のWebマーケティングを、戦略立案の段階から支援してきたディレクター・峯林晃治さんに、LLMOに具体的にどう取り組むべきかについて、現場での実践アドバイスを伺ってみました。

現場のプロが解説!LLMOで効果を出すためのポイント

峯林 晃治

1977年生まれ 京都府出身 同志社大学経済学部卒業営業、Webディレクター、SEOコンサルタントを経て、2013年にジャストシステムに入社。ネットリサーチ(Fastask)やBIツール(Actionista!)など主にBtoB領域のデジタルマーケティングに携わる。特に、リード獲得を目的とした自主調査においては7年間で累計400件以上を企画、実施し獲得したリード(企業の名刺情報)は述べ60000件を超える。オウンドメディアの運用、メルマガ配信などで多数の商談創出実績あり。

マルチチャネルでの情報発信がこれまで以上に重要に

―これまでSEOに取り組んできた企業がLLMOにも取り組む場合、新たに押さえておいたほうが良い点はどのようなところですか?

峯林:LLMOがSEOと決定的に違うのは、「AIエージェント」のスクリーニングが入る点です。LLMOでは、検索エンジンやSNSなどのプラットフォームで評価された上で、「AIエージェント」に評価されなければならない、という点が大きな違いです。

※ChatGPT等の生成を指すのか、AI overviewを指すのかによって多少違いがあります。今回は前者を想定しています。

ただし、SEOとLLMOとで、取り組む内容や方向性に大きな違いはありません。生成AIは基本的に、クローリング可能なあらゆるテキストデータを参照しており、生成AI自身がWeb検索した内容をもとに推論して回答を生成しているため、Web検索上で競合よりも量・質ともに情報発信を充実させることが重要です。

また、これまで以上にマルチチャネルの重要性が高まります。LLMOでも、SEOと同様に「E-E-A-T」、すなわち「誰が情報を発信しているのか」が重視されます。「E-E-A-T」はGoogleが公表しているWebコンテンツの評価指標で、「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」それぞれの頭文字を取った略称です。

そのため、自社のWebサイトはもちろん、SNSやYouTubeでの情報発信、メディアでの露出など、インターネット全体での情報発信の量と質を担保し、実績を訴求することが重要になります。

―マルチチャネルでの情報発信を行うなかで、特に力を入れたほうが良いメディアはありますか?

峯林:生成AIのコンテンツの参照基準には、検索エンジンでの評価はもちろん、実際の実績や外部団体からの評価も加味されていると考えられます。そのため、まずは自社のWebサイト上で、業界年数や実績件数など、具体的な実績をしっかりとアピールすることをおすすめします。

YouTubeも生成AIの情報引用元として強いです。昨今はAI overviewsの中にYouTune動画が掲載されるケースもあります。生成AIはタイトルと説明文、文字おこしでYouTube動画の内容を把握しています。特に盲点なのが文字おこしです。自動文字おこしのままだと間違いが多いので、きちんと修正しておくことをおすすめします。動画コンテンツとしては、ウェビナーなども技術力や専門性の訴求にとても良いですね。

また、生成AIで検索した情報を基に、YouTubeでさらに詳しい情報を調べるというユーザーも一定数います。動画や画像などのリッチコンテンツの活用は、AI検索が増えるなかで効果的だと思います。

一方で、プレスリリースを配信する、取材を受けるなど、自社以外のメディアに掲載されるよう取り組むことも大切です。比較サイトやランキングサイトへの掲載も効果的です。たとえば、生成AIに「おすすめの○○を教えて」と聞いたときにAIエージェントが何をしているかというと、こちらの意図を類推した複数のキーワードで再検索をしているんです。「○○ おすすめ」「○○ 比較」「○○ 安い」という感じで、比較サイトやランキングサイトがよく参照されています。

さらに、業界や業種によっては、地方のメディアや商工会議所などとの連携もおすすめです。たとえば製造業などは、現場での確認や打ち合わせが必要になることが多いので、地域名を入れて情報を検索するパターンが多いと思います。

LLMOに取り組むならば、自社の実績や掲載メディアなどを一度整理してみると良いかもしれません。

効果測定には、まず見込み顧客の想定プロンプトの特定を

―LLMOの効果を測定するにはどのような方法がありますか?

峯林:「計測環境」もSEOとの大きな違いです。SEOの場合、無料ツールなどであまりコストをかけずに検索ボリュームや表示順位などを正確に計測できます。しかし、LLMOの場合、一部のSEOツールで生成AIでのブランド言及状況を可視化できるものの、生成AIの生成結果は都度異なるため、SEOほど厳密な計測ができません。

そのなかでできることとして、まず、自社の見込み顧客が生成AIに打ち込むであろう、プロンプトを特定することをおすすめします。そして、ChatGPTやGeminiを使い、そのプロンプトで自社が表示されるかどうかを定期的にモニタリングすると良いでしょう。その際、どのようなロジックで情報を収集して回答を生成しているのか、どのようなメディアを参照しているのかを、生成AIに聞いてみるのも有効です。

―見込み顧客のプロンプトの特定はどのように行うと良いですか?

峯林:まずはペルソナを再定義し、ペルソナのニーズや課題を整理します。その上で、そのペルソナが課題解決策を調べる際に打ち込む可能性のあるプロンプトを、生成AIに聞いても良いかもしれませんね。

また、顧客へのヒアリングも有効です。特に、新規の問い合わせがあったときは、どこで自社のことを知ったのかをぜひ聞いてみてください。「生成AIで調べて」と回答があれば、具体的にどのようなプロンプトを入力したのか、教えてもらうと良いでしょう。

「LLMOだけ」に最適化しようとすると失敗しやすい

―LLMOに取り組んだものの結果が伴わない場合、どういった原因が多いですか?

峯林:LLMOは「それだけ」に最適化しようとすると、失敗するように思います。LLMOを考える前に、まず、見込み顧客がどのような情報を求めているのか、何に困っているのかを整理する必要があります。

また、LLMOのベースはSEOになりますが、SEO記事だけ頑張るのもよくありません。たとえば、実績が豊富なのにそれが事例記事などの形で表に出ていないならば、SEO記事よりも事例記事を増やすべきです。SEOでのキーワード選定も変える必要があります。「~とは」といった用語系の記事ではなく、より顧客のニーズや課題、自社のビジネスとマッチしたキーワード選定が重要です。

―「LLMOだけ」にならず、LLMOにつなげるにはどうすれば良いですか?

峯林:「生成AIの生成結果に頻出する企業」という観点で考えると、オウンドメディア・ペイドメディア・アーンドメディアかつマルチチャネルで、インターネット上に着実に自社の情報を蓄積してきた企業が生成結果に頻出しているように感じます。

具体的には、まず自社のWebサイトで、サービス紹介だけでなく導入実績を多く掲載。自社のWebサイト外でも、技術情報やプレスリリースなどを積極的に配信し、特定地域や特定業種のメディアに多く掲載されている、という企業ですね。

情報発信の方法全体を見直したことで、LLMOでも効果が出た事例

―峯林さんが担当してきた案件のなかで、LLMOで効果を出している企業としてどんな例がありますか?

峯林:LLMOに特化して取り組んだ結果というよりも、情報発信の方法を全体的に見直した結果、副次的な効果として生成AIでも表示されるようになったケースがあります。

そのひとつが、ある地方の金型製造業の会社さんです。この事例では、そもそも会社サイトが20年ほど更新されていないという状態でした。そこでまず、会社サイトを最新の情報にリニューアルし、事例を追加し、技術情報を掲載しました。そのなかで、特定の金型技術でSEO対策を行ったところ、検索エンジンで上位表示されるようになり、さらに「金型名×地域名」が入った特定のプロンプトで生成AIの検索結果にも表示されるようになりました。

インターネット全体でのバランスの取れた情報発信が必要

LLMOで効果を出すためには、SEOをベースにしながらも、自社メディアだけでなくインターネット全体で、自社に関する情報がバランスよく発信されている状態をつくることが重要になります。

LLMOだけに特化しようとすると失敗しやすく、テクニック的な対策だけでも不十分です。会社やブランド、事業全体で目的とターゲットを明確にしたうえで、Webマーケティング部門だけでなく、部署やチーム同士が連携しながら情報発信に取り組んでいく必要があります。

もし、
「何から手を付ければいいか分からない」
「自社に合った進め方を整理したい」
と感じた場合は、外部の視点を取り入れるのも一つの方法です。

ディレクターバンクでは、LLMOで効果を出すためのコンテンツマーケティング設計や運営改善のコンサルテーションも行っておりますので、ご興味がありましたら、お気軽にご相談ください。

→ 「SEO対策・集客支援」サービスはこちら

この記事の執筆者:
河村 郁恵
かわむら いくえ

山口県出身。京都大学文学部卒。国文学専攻だったので源氏物語など王朝物語に普通より少しだけ詳しい。

EC企業(マーケティング、コンテンツ制作担当)、EC業界向けメディア(記事の執筆・編集、メディア運営を担当)を経て、2017年に独立。

ライター・編集者として、紙媒体・Web媒体問わず幅広い分野の記事を企画から執筆まで対応。Webマーケティング、ECのオウンドメディアコンテンツ、採用インタビュー、事例取材などの実績多数。

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