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失敗しないSNS運用設計とは?まずはコンセプトを明確に、PDCAを回せる体制を作ろう


企業のWebマーケティングにおいて、SNSの存在感は年々増しています。SNSは、上手に活用すれば幅広い層のユーザーにアプローチでき、双方向のコミュニケーションを取ることもできます。一方で、適切な運用設計を行わなければ、投稿はしているけれど反応がまったくないという状況にもなりがちです。
本記事では、SNS運用の基本的な進め方を解説。これまで多くのSNS運用を支援してきた、ディレクターバンク登録ディレクターの赤坂 麻衣子さんに、失敗しないためのSNS運用について、現場のプロ目線でアドバイスしてもらいました。
目次
SNS運用の進め方
SNS運用とは?
SNSは今や多くの人にとって情報収集や情報発信、コミュニケーションに欠かせないツールです。企業のWebマーケティングにおいても、SNSを活用することで、新たなユーザー層にアプローチできる可能性が広がります。
しかし、ただSNSのアカウントを作って情報を発信すれば良いというものではありません。SNS運用の目的やターゲットの属性などを考慮した上で、プラットフォーム選びや発信内容の選定を行うことが大切です。
SNS運用の全体フロー
STEP 1. アカウントの整備
アカウントを開設し、初期設定を行います。Instagram は分析機能などがあるプロアカウントが無料です。
STEP 2 . 目標と評価指標の設定
SNS運用の目標と、それを達成するための評価指標を設定します。
指標として設定されることが多いのは、たとえば、投稿の閲覧数やクリック率、保存数や投稿経由の流入数など。競合のアカウントがある場合は、その動向も参考になります。
STEP 3. コンテンツ戦略の立案
ターゲットの興味関心を引くコンテンツ案を選定します。複数名でチェックできる体制を築いておくと、炎上のリスクが軽減されます。
STEP 4. 投稿とエンゲージメント促進
投稿予定を立て、継続的に投稿を行っていきます。投稿だけでなく、コメントに対する返信やリポスト、ダイレクトメッセージなども活用して、ユーザーの交流も意識しましょう。
STEP 5 . 分析と最適化
アナリティクス機能や分析ツールなどを活用して、当初の目標と評価指標に対してどれだけの効果が得られたのかを分析し、改善に取り組んでいきます。
SNS運用で最初にやるべきことは?
目的・ターゲットの明確化
はじめに、認知拡大や顧客育成などのSNS運用の目標を明確にします。その上、目標をどういったユーザーに対して達成したいのかのターゲット選定を行います。
発信内容の方針決め
SNS運用の目標とターゲットに応じて、アカウントの運用方針や発信の方向性を定めます。必要に応じてレギュレーションやマニュアルを作成し、関係者に共有しましょう。
以上が、SNS運用の基本的な流れと、最初に取り組むべき点になります。
次に、失敗しないSNS運用のために、どのような点に気をつけるべきか?数々の企業のSNS運用支援を行ってきた、ディレクターバンク登録ディレクターの赤坂 麻衣子さんに、成果につながるSNS運用のためにまず着手すべきことをアドバイスしてもらいました。
現場のプロがアドバイス!失敗しないSNS運用設計とは?

赤坂 麻衣子
IT 業界で WEB ディレクター、WEBプロデューサー、人材派遣役員を経験後、会社設立。約 4 年前からSNS のマーケティング分野に注力。
「誰に」「何を」伝えたいのか、コンセプトや目標は明確ですか?
―企業のSNS運用に取り組む企業がつまずきやすい点や、そこから生じやすい課題として、どのようなものがありますか?
赤坂:SNS運用でつまづきやすいケースとして、アカウントを立ち上げるときに、コンセプトが曖昧なままスタートしてしまうことがあります。コンセプトが明確でないままに担当者にSNSの運用を任せても、ありきたりな発信内容になりがちです。結果、フォロワー数などの数字が伸び悩む可能性が高くなります。
また、「投稿はしているけれどけれどそれが成功なのかわからない」というSNS担当者のお悩みもよく聞きます。これは、何をもってSNS運用の成功とするのか、目的が定まっていないために生じる悩みです。
メリットを提示し、PDCAを回しながら勝ちパターンを見つける

―SNS運用においてコンセプトを明確にし、定量的な成果につなげるためには、最初にどのようなことを決めれば良いのでしょうか?
赤坂:SNS運用では、はじめに、自社の業種・業態も考慮しながら、「誰に」対して「何を」軸に情報を発信するのかという、コンセプトを固めましょう。その上で、ターゲットにアカウントをフォローしてもらうには、「フォローするメリット」を感じてもらうことが絶対条件です。
そのために重要なのが、「誰のアカウントなのか」「どんなことを発信するのか」「このアカウントにアクセスすることで何を得られるのか」という3本柱です。これらがユーザー目線で設計し、一目でわかるようにします。たとえば、日々の投稿はもちろん、アカウント名やプロフィールなども重要な要素です。
継続して発信することもとても重要です。適切な頻度はプラットフォームや形式によって異なりますが、たとえば、Instagramの投稿であれば週に2回程度、Instagramのストーリーズであれば毎日投稿していただきたいところです。
また、投稿ごとに目的を明確にして、それが達成できたかどうか毎回検証を行います。たとえば、リーチを伸ばしたい、「いいね!」を増やしたいなど、SNS運用の目標に応じて投稿ごとの目的も決めましょう。そうしてPDCAを回していくうちに、どんな投稿が効果的なのか、勝ちバターンが見えてきます。
―SNS運用というと「炎上」を気にされる方も少なくないと思うのですが、炎上を防ぐためにどのようなことをおさえておくべきですか?
赤坂:特に企業がアカウントを運用するとなると、リテラシーも重要です。数字を追うだけではなく、「この投稿によって誰かが傷つくことがないか」としっかり考え、気持ちを込めて投稿内容を作成しましょう。
そういう姿勢があれば、簡単に炎上することは避けられるはずです。中小企業に多いのですが、SNS運用を担当者一人にほぼ任せている場合、リテラシーについては特に注意が必要です。
人間味のある投稿が共感を呼び、ファンを増やす
―SNS運用において成果をあげている企業に共通する点はありますか?
赤坂:SNSはもともと個人が情報を発信し、交流するためのものでした。そのため、たとえ企業のアカウントであっても、担当者の思いが伝わるような、人間味は大切にしてほしいです。
たとえば、ときには業務と直接関係のない趣味や休日の過ごし方なども発信して、共感を得ながらファンを増やすことができれば、ひとつの理想です。Instagramのリール動画は、最初の3秒の「人の感じ」の有無で視聴時間が変わるというデータもあります。
―そういったプラットフォームごとの特徴で、他におさえておくべきポイントがあれば教えてください。
赤坂:共感を呼ぶ投稿が得意な担当者であれれば、Xの活用がおすすめです。Xのポストはずっと残り、時系列に関係なくリーチが広がることがあります。そういったプラットフォームごとの特徴も踏まえて、どこで何を発信するのか棲み分けを行うと良いでしょう。
他には、LINEも便利なプラットフォームですね。公式アカウントを友だち登録してもらえば、プッシュ配信で効率よく情報を提供できます。ただし、頻度が多すぎると離脱が増え、逆効果になります。まずはInstagramやXで好感度を持ってもらい、そこから登録へ誘導できるような設計が重要です。
いずれのSNSを使うにしても、キャンペーンやクーポンなどわかりやすいメリットを提示するのは効果的です。特にBtoC企業の場合、そういったことも含めて戦略を立てていただきたいですね。
情報を整理してコンバージョンへの道筋をシンプルに

ー赤坂さんが支援してきたSNS運用案件のなかで、印象に残っている事例を教えてください。
赤坂:料理教室を運営しているC社の事例をご紹介します。
C社では、複数のInstagramアカウントを運用していました。そのなかで、レシピを紹介するアカウントは人気があるものの、講師募集やセミナー情報などを投稿しているアカウントはあまり見られていないという課題がありました。
そこで私は、2つのアカウントの統合を提案しました。これにより、日頃からレシピを見ている料理好きな方々に、講師という道筋を提示できるようになります。結果として、投稿・リール・ストーリーズを使い分け、バランスよく情報発信をすることで、フォロワーは2倍以上になり、講師になる方も増加しました。
このように、コンバージョンへの道筋をできるだけシンプルにするのは非常に重要なポイントです。会社のWebサイトなども含め、ユーザーに提供する情報をきちんと整理することによって、SNSから訪問した方々の潜在的な需要を掘り起こすことができるのです。
SNSは適切な運用設計が成果への第一歩
SNSは簡単にアカウントを立ち上げることができ、多くの人々に対してリーチできる非常に便利なツールです。ただし、期待した効果を得るためには、適切なコンセプトのもとでユーザーの共感を呼ぶ発信を継続して行い、PDCAを回していく必要があります。
特に、第一歩となるコンセプト設計については、どうすればよいのかわからないという声が少なくありません。ディレクターバンクでは、SNSアカウントの現状分析から改善・運用代行まで、企業の課題に応じて、柔軟に伴走支援が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

奈良県大和郡山市出身。神戸大学文学部卒業後、編集プロダクション、広告代理店等を経て、2025年フリーランスに転身。豊富な経験を生かし、幅広いジャンルの取材・執筆に携わる。