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失敗しないWebマーケティング戦略設計とは?まずは「顧客」と「自社」の理解から始めよう。
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Webマーケティングに取り組むにあたり、すべての施策の土台となる戦略設計。ここをいかに的確に行えるかによって、Webマーケティング全体の成果が大きく変わってきます。
本記事では、そんなWebマーケティング戦略設計の基本な設計手順を解説。これまで多くの企業のWebマーケティング戦略設計を支援してきた、ディレクターバンクのシニアディレクターの峯林 晃治さんに、失敗しないためのWebマーケティング戦略設計の進め方について、現場のプロ目線でアドバイスしてもらいました。
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目次
Webマーケティング戦略設計の始め方
Webマーケティング戦略設計とは?
Webマーケティング戦略設計とは、市場・競合・顧客の状況を踏まえて「誰に・何を・どう届けるか」を定め、事業成果へ向けた道筋を設計することです。まず、事業の収益構造や強みを理解したうえで、届ける価値と狙う市場を明確にします。Webマーケティング戦略が定まることで、広告・SEO・SNSなど個別施策が一貫し、ムダのない運用と改善サイクルが可能になります。
Webマーケティング戦略設計の全体フロー
Webマーケティング戦略設計の基本的な流れは以下になります。
STEP1.目標設定(KGI/KPI)
売上など事業として達成すべき KGI(Key Goal Indicator =重要目標達成指標重要)に基づき、その進捗指標となるリード獲得数など KPI(Key PerformanceIndicator =重要業績評価指標)を定めます。
STEP2.3C分析を行う
市場・競合・自社を整理し、自社の強みと勝てる領域を見極めます。
STEP3.ペルソナ設定
自社の代表的な顧客像である「ペルソナ」を設定、ペルソナが自社の商品に「価値を感じる理由」を明確にします。
STEP4.カスタマージャーニーをつくる
顧客が自社の商品について「認知→比較→検討→購入」するまでの流れを可視化し、各段階で必要な情報や接点を整理します。
STEP5.施策を検討し優先順位をつける
個別施策を「効果の大きさ×実行のしやすさ」で評価。短期で効果が出る施策と、中長期で効く施策のバランスを取ります。
STEP6. 施策を実施し、分析を基に改善する(PDCA)
施策を実施し、その成果を KPI に基づいて分析。改善点を反映し、施策の精度を高めていきます。
Webマーケティング戦略設計で最初にやるべきこととは?
STEP1の目標が定まったら、まずは以下の現状把握から取り掛かりましょう。
・分析のための情報収集
3C分析やペルソナ設定を行うにあたって、自社の商品や顧客に関する情報を収集します。顧客に関する情報などは、営業やカスタマーサポート部門など、部署をまたいで協力を仰ぎましょう。
・リソースの棚卸し
Webマーケティング施策にかけられる予算、人員、稼働可能時間を整理し、計画と現状のギャップを把握することで、着手すべき施策の優先順位をつけましょう。
以上が、Webマーケティング戦略設計の基本的な流れと、最初に取り組むべき取り組みになります。
次に、失敗しないWebマーケティング戦略設計をしていくためには、どのような点に気をつけて進めていくべきか?数々の企業のWebマーケティング戦略設計支援を行ってきた、ディレクターバンクシニアディレクターの峯林 晃治さんに、成果につなげるためにまず着手すべきことをアドバイスしてもらいました。
現場のプロがアドバイス!失敗しないWebマーケティング戦略設計とは?

峯林 晃治
1977年生まれ 京都府出身 同志社大学経済学部卒業営業、Webディレクター、SEOコンサルタントを経て、2013年にジャストシステムに入社。ネットリサーチ(Fastask)やBIツール(Actionista!)など主にBtoB領域のデジタルマーケティングに携わる。特に、リード獲得を目的とした自主調査においては7年間で累計400件以上を企画、実施し獲得したリード(企業の名刺情報)は述べ60000件を超える。オウンドメディアの運用、メルマガ配信などで多数の商談創出実績あり。
自社にとって「都合の良い顧客像」を設計していませんか?
―Webマーケティング戦略設計において、企業がつまづきやすいのはどのような点ですか?
峯林:「戦略設計」フェーズに限定して言うと、意外にも「顧客目線」になれない企業が多いという点です。たとえば、「御社の顧客の悩みは何ですか?」という問いに対して、「自社の優位性」や「商品の機能性」ばかりが返ってくるということが、よくあります。
その状態でマーケティング戦略を設計すると、自社に都合の良い「ペルソナ」や「カスタマージャーニー」になってしまうんですね。ただ、それを自覚するのはなかなか難しいことです。
※ペルソナ:自社の代表的な顧客像
※カスタマージャーニー:商品・サービスの認知から購入に至るまでの、顧客の興味関心や思考・行動の一連の変化。
―「顧客目線」になれていない企業に対して、それに気づいてもらうために、どういったアプローチを行いますか?
峯林:支援に入る場合は、担当者と何度も対話を重ね、戦略やコンテンツ制作のすり合わせをするなかで、徐々に気づいてもらえることが多いです。第三者の立場で見ると、客観的に顧客や課題が見えやすいんですね。
社内のメンバー同士で認識にギャップが生じる場合もあるのですが、そういうときは社内の第三者を巻き込むことで説得しやすくなります。たとえば、AさんとBさんの間でギャップがあるなら、Cさんに入ってもらってBさんを説得してもらうという形です。
マーケティング目線で「顧客のリアルな声」を聞く機会を設けよう
-本当の「顧客目線」になるために、企業が自社でできることはありますか?
峯林:マーケティング担当者だけでなく、顧客との接点が近い営業担当やサポート担当も交えることで、顧客のニーズにより肉薄できます。定量調査や顧客インタビューも有効です。
特にBtoBの場合、営業がどんなお客様と喋っているのかを、マーケティング目線で確かめることをおすすめします。BtoCの場合は、座談会などを開いて顧客に直接ヒアリングしたり、レビューやアンケートの顧客の声を商品に取り入れたりする土壌がありますが、BtoBではそういったお客様の声をマーケティング担当が直接聞く機会が少ないように思います。
営業担当にヒアリングしても良いのですが、営業担当はお客様からの質問に答えるのが得意な一方で、「問い合わせ前の背景」を引き出すのは苦手なことも多いんです。
マーケティング担当がリアルに営業に同行して、なぜ自社を選んだのか、問い合わせ前にどんな課題があったのかといった背景を、マーケティング目線でヒアリングできると、気づきが非常に多いはずです。営業担当にとっても、「意外とここがハマっているんだ」といった発見があるかもしれません。
それでも「自社目線」になってしまうことはあります。そうならないように、「顧客の言葉」を意識することをおすすめします。たとえば、「この商品の特長は……だ」ではなく、「私は……に悩んでいる。これを解決する方法はないか」といった考え方です。
―新規事業などでこれまでの顧客データの蓄積がない場合、顧客像を描くためのポイントはありますか?
峯林:「データを取りに行く」ことが必要です。予算があるなら調査会社に依頼してデータを集めると良いでしょう。それが難しければネットリサーチのアンケートパネルを使ったり、知人や取引先のつながりでターゲットとなるユーザーを紹介してもらうという方法もあります。有識者や業界経験者にインタビューするのもおすすめです。
マーケティング担当が机上だけでペルソナやカスタマージャーニーを作ると、どうしても都合の良い妄想になってしまいます。一番良いのは、ペルソナに近い年代・性別の方を対象にしたフィールドリサーチです。ターゲットのリアルな声を知ることが重要ですね。
―インタビューやフィールドリサーチで、なるべくリアルな本音を話してもらうためのコツのようなものはありますか?
峯林:まず、「話してもらえる関係性」を作ることが大事です。例えば、私はインタビューの際、ビジネスとは全然関係のない話から始めて、まずは相手に自分のことをたくさん話してもらうようにしています。いきなり「商品を買うときに何を意識しますか?」と聞いても回答しにくいですから、「普段どんなお仕事をされていますか?」「休みの日は何をしていますか?」といった質問から始めます。
その上で、「お仕事大変ですね、どんなところが大変ですか?」といった質問をすると、話が広がっていって、場が温まってきます。その段階までいくと、もともとヒアリングしたかったことに対しても、良い答えが返ってくることが多いです。聞く順番を意識して、相手が話す状態になった段階でヒアリングするのがポイントですね。
顧客だけでなく「自社」も含めた正しい現状整理が、成果につながる土台

―成果につながるWebマーケティング戦略ができている企業の共通点はありますか?
峯林:現状を正しく整理できていることだと思います。現状には、顧客だけでなく「自社」も含まれます。
自社の社員が、自社の大きな価値に気づけていないこともあります。たとえば、「情報共有を効率化する」ツールを提供する会社があるとします。その会社の提供価値は、単に「情報共有の効率化」ではなく、それによって「魅力的な職場をつくる」「皆が心地よく働ける環境をつくる」ことだったりするんです。
また、最適なマーケティングチャネルは、業種業態や顧客によって異なります。目的や会社の実情によっては、必ずしも「Web」マーケティングである必要はありません。手法ありきではなく、まずは顧客と自社についてしっかり整理をすることで、本当に成果につながる施策を選定しやすくなり、結果的に費用対効果を高められます。
部署間・社内外で連携してアイデアを出し合い、施策の目的を明確にしよう
-峯林さんのこれまでの担当案件のなかで、印象的な事例を教えてください。
峯林:バックオフィス向けのSaaSを提供している企業の事例を紹介したいと思います。
この企業では情報発信に明確な方針がなく、行き当たりばったりの情報発信になっていました。たとえば、商談創出につなげたい、あるいは休眠顧客を掘り起こしたいなど、何のためにその情報を発信するのかという目的が軸にないと、施策を正しく評価することはできません。
そこで、この企業を支援するにあたって、顧客ニーズを整理するためのワークショップを設けました。広告代理店や営業担当、サポート担当10名ほどを交えて行い、大量に出てきた「顧客(目線)の悩み」をラベリング。その悩みを「課題の認知」「解決方法の探索」「委託先の比較・検討」といったフェーズに整理し、優先順位をつけたんです。
その結果「目的をもって」情報発信ができるようになり、商談創出につながっています。
この事例に限らず、部署や社内外の関係者皆でアイデアを出し合って「ネタ表」を作り、それを羅針盤にしてWebマーケティング施策を運用していくという形は、成功につながりやすいひとつの方法です。このとき、営業担当が入ると強いです。「今は予算策定の時期だからこれをフックにコンテンツを作ろう」とか、「こういう商談が多いからこれをネタにしよう」といった、現場からのボトムアップで戦略を設計することができます。
また、私のような外部の人間が入ることで、客観的な視点を持ちやすくなるというメリットがあります。「その仮説は本当にリアルですか?」と第三者に聞かれることで、「言われてみれば、そこまでの話ではないですね」と冷静になれたりします。やはり顧客目線を取り戻すためにも、第三者の視点は有効だと思います。
客観的な視点が成功のポイント、まずは顧客と自社の現状を整理しよう
Webマーケティングの土台となる戦略設計で失敗しないためには、自社にとって都合の良い顧客像を一旦リセットして、本当の「顧客目線」で現状の棚卸しをする必要があります。
そのためには、マーケティング担当以外に営業担当やサポート担当も交えて、お客様の課題について客観的に分析してみる機会を持つことがおすすめです。顧客目線で、自社の提供価値をもう一度見直してみることによって、最適なマーケティングチャネルとコミュニケーションの改善仮説が見えてきます。
ただし、こういった分析や整理は、なかなか客観的に行うことが難しいものです。自社のメンバーだけでできているか不安がある場合、第三者の専門家の目線を入れることもおすすめします。
ディレクターバンクでも、Webマーケティング戦略・改善支援を行っておりますので、ご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
→「Webマーケティング戦略・改善支援」サービスはこちらから
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山口県出身。京都大学文学部卒。国文学専攻だったので源氏物語など王朝物語に普通より少しだけ詳しい。
EC企業(マーケティング、コンテンツ制作担当)、EC業界向けメディア(記事の執筆・編集、メディア運営を担当)を経て、2017年に独立。
ライター・編集者として、紙媒体・Web媒体問わず幅広い分野の記事を企画から執筆まで対応。Webマーケティング、ECのオウンドメディアコンテンツ、採用インタビュー、事例取材などの実績多数。
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