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Webマーケティングお悩み相談 「社内でWebマーケティングを回せる体制を作りたいのですが.....。」

マーケティング内製化・DX支援
2026-05-12
(
2026-05-12
更新 )
河村 郁恵
Webマーケティングお悩み相談 「社内でWebマーケティングを回せる体制を作りたいのですが.....。」

ディレクターバンクに日々寄せられる、Webマーケティングに関するさまざまなご相談。そのなかでも業界業種に関わらず共通して多いお悩みをピックアップ。お悩みのヒアリングから、ディレクターアサインまでを手がけるディレクターバンクのスタッフが回答します。

今回は、「社内でWebマーケティングを回せる体制を作りたい」というお悩みに、ディレクターバンク 代表取締役の棟近 直広が回答。どのような人材を責任者に置き、何を重視して組織を作っていけば良いのか。また、成果につながる共通項や、失敗しやすい点、社内にノウハウを蓄積できる外注の活用方法などを解説します。

目次

作業をただ内製化するのではなく、PDCAを自分たちで回しつづける「自走化」を目指しましょう

ディレクターバンク株式会社 代表取締役

棟近 直広

Webマーケティング支援ディレクター。お客様の事業運営の視点にたって、ゼロイチの状態から、戦略策定、実行改善までトータルに支援するのが得意。ディレクターバンク株式会社を2016年設立。300名超のWebのプロフェッショナル人材バンクを構築し、様々な業界のWebマーケティング支援を手がける。

責任者のスキルやセンスより「マインドセット」と「顧客理解」が重要

―Webマーケティングを社内で回すには、どんな人材が必要ですか?

棟近:「Webマーケティングを『自走化』する」というミッションを明確に捉え、自分の仕事として取り組めるマインドセットを持った責任者が必要です。スキルやセンスがあっても、このマインドセットがないと、Webマーケティングが担当者止まりになってしまい、組織としてWebマーケティングを回せるようになりません。

Webマーケティングの「自走化」の本質は、作業をただ内製化することではなく、「PDCAを自分たちで回せること」です。この点も踏まえると、責任者には、「Webに詳しい若手」よりも「決裁権を持つ現場に近い管理職」などの人材が適しています。

責任者は「Webマーケティング施策のプロ」を目指す必要はありません。目指すべきは、「自社の顧客理解のプロ」です。自走化の本質は、Webマーケティングの教養を高めることではなく、Webマーケティングを通じて「自社の顧客理解を高めること」にあります。

―Webマーケティングを自走させるための組織設計やルール作りなど、人材以外ではどのようなことが必要ですか?

棟近:組織設計では、「何をするか?」よりも「どうやり続けられるか?」が重要です。「何をするか?」については、少し調べれば一般的な情報を簡単に入手できます。大切なのは、それを自社の顧客向けに再編集して適切な形で提供し、改善を続けられる組織を作ることです。

そのために重要なのが、現状の問題と課題に対して、定量的な目標を設計し、期限を設けることです。それを組織共通のルールとすることで、メンバーの本気度が上がります。

また、メンバーの目線合わせ、意識合わせも重要です。参考になるのが、Googleがチーム運営において重視していることで知られる次の5つのポイント、「1.心理的安全性」「2.相互信頼」「3.構造と明確さ」「4.仕事の意味」「5.インパクト」です。

社内のメンバーだけでなく、外注パートナーに対しても同様の目線合わせ、意識合わせを行うことで、コミュニケーションが円滑になります。

成功の共通項は「PDCAを回し続けること」と「社内風土」

―Webマーケティングを自走させて成果を出している企業の共通点はありますか?

棟近:繰り返しになりますが、「PDCAを自分たちで回す」をしっかり続けていることです。成果を出している組織は、自分たちが「どこに行きたいか?」という目標を明確に設け、それを達成する方法を自分たちで考え、実行した結果から学習、成長しています。

Webマーケティング施策の多くは、実行してすぐ成果がでるものではありません。PDCAを回すなかで、うまくいかない原因と改善のアイデアを見出すことが、成果につながります。

また、Webマーケティングに積極的な社内風土も、成果を出すための重要な要素です。社内風土を作るには、会社全体へ情報を発信し、他部署とも連携しながらPDCAを回していきます。こういった取り組みも、自走化の責任者の重要な役割です。

失敗しないためには、「明確な課題設計」と「PDCAの領域切り分け」が重要

―Webマーケティングの自走化で失敗しやすいのはどんなところですか?

棟近:大きく2つのパターンがあります。

1つ目は、組織としてどのようなWebマーケティングのノウハウを蓄積したいのかが曖昧なまま、着手してしまうパターンです。この場合、現場の担当者にWebマーケティングのオペレーションスキルだけが蓄積され、最終的にその社員が転職してしまうと何も残りません。

2つ目は、成果よりもコスト削減を重視した作業の内製化を行ってしまうことです。この場合、外注コストの抑制はできても、Webマーケティングの成果改善にはつながりません。現場スタッフが作業に追われて疲弊してしまうことも問題です。

しかも、コストが削減されたように見えても、内製化した分、現場スタッフに新たな工数と学習コストが発生しています。それまで外注に一任できていた現場スタッフのディレクションという新たなマネジメントコストも発生します。

―そういった失敗を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?

棟近:1つ目の失敗を防ぐには、最初に明確な課題設計を行うことが重要です。また、担当者が孤立しないよう、チームで取り組む体制を作り、会社全体に情報を発信していきましょう。理想としては、担当者(責任者)は二人一組のほうが孤立しにくくなります。

2つ目の失敗を防ぐには、社内で行うべき領域と外注すべき領域を切り分けて、PDCAの運用体制を設計することが重要です。何でもコスト削減をすれば良いわけではなく、売上を上げていくための取り組みや、資産として蓄積されていく施策など、お金を使うべきところではきちんとお金を使うようにしていきましょう。

―社内で行うべき領域、外注すべき領域はそれぞれどのようなものでしょうか?

棟近:PDCAの上流工程にあたる「計画」「改善」は、まず社内で行うべきコア領域です。現状の問題や課題、ゴールをまずは自分たちで話し合ってみましょう。

その上で、うまくいかなければ外部の専門家によるコンサルティングを受けるのも有効な方法です。ディレクターバンクでもそういったコンサルティングを行っています。たとえば、現状分析の対象やコンテンツ開発計画、施策の投資対効果の試算、PDCA運用体制の具体的な設計などは、相談の多い領域です。

PDCAの下流工程にあたる「実行」「測定」は、積極的に外注を活用すべきノンコア領域といえます。ノンコア領域では、AIを活用した自動化も進んでいます。

自社にマッチする外注選定のコツは、施策ありきではなく課題軸

―外注先を選定するときに押さえておいたほうが良い基準はありますか?

棟近:まず重要なのが、「こんな組織になりたい」という課題軸を共有できるかどうかです。また、自分たちと同じ視点で顧客分析から伴走してもらった上で、ゴールの設定とそこまでのファシリテーションをしてもらえるかという点も、基準にすると良いと思います。

どんなに実績があるコンサルタントや専門家でも、そのやり方が自社の顧客にはマッチしないことはあり得ます。施策ありきではなく、自社の課題軸に基づいた取り組みが重要です。

また、最終的には相性も大事なところです。担当者同士で話してみて、きちんと話を聞いてもらえるかどうかも、基準のひとつになります。

まずは責任者の選定と課題設定から。すべての内製化を目指すより、適所適材の外注活用も検討を

「Webマーケティングを社内で回す」とは、Webマーケティングに関する作業をすべて社内で行うということではありません。重要なのは、「自分たちでPDCAを回し続けられる」という「自走化」の体制を作ることです。そのためにコア領域は内製化しつつ、ノンコア領域は適切に外注することも、自走化の助けとなります。

コア領域を自分たちで行うとなったときに、まず必要なのが責任者の選定、そして課題設定です。ただ、現状に問題は感じているものの、具体的に何をどう分析したら良いのかわからない、現状に対してどんな施策が効果的なのかわからない、といった状況も起こりがちです。

そんなときは、まずはコンサルなど外部の専門家に相談して、コア領域の内製化を助けてもらうところから始めるのも良いでしょう。

ディレクターバンクでも、そういったコア領域を自分たちで行うための支援から、ノンコア領域の作業まで、Webマーケティング運営を社内で回せる体制づくりの支援を行っています。Webマーケティング組織運営でお悩みのことがあれば、お気軽にご相談ください。

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この記事の執筆者:
河村 郁恵
かわむら いくえ

山口県出身。京都大学文学部卒。国文学専攻だったので源氏物語など王朝物語に普通より少しだけ詳しい。

EC企業(マーケティング、コンテンツ制作担当)、EC業界向けメディア(記事の執筆・編集、メディア運営を担当)を経て、2017年に独立。

ライター・編集者として、紙媒体・Web媒体問わず幅広い分野の記事を企画から執筆まで対応。Webマーケティング、ECのオウンドメディアコンテンツ、採用インタビュー、事例取材などの実績多数。

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