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失敗しないLP制作とは?「独りよがり」を脱し、顧客にとって価値のある訴求を


LP(ランディングページ)は、効率的なコンバージョン獲得が期待できるWebマーケティング施策のひとつです。一方で、LP制作に着手したものの何を訴求すれば良いのかわからない、LPを制作したけれど思うような効果が出ていない、といった声もよく聞かれます。
本記事では、LP制作の基本的な進め方を解説。これまで多くのLP制作を支援してきた、ディレクター爆登録ディレクターの久野紘揮さんに、失敗しないためのLP制作について、現場のプロ目線でアドバイスしてもらいました。
目次
LP制作の進め方
LP制作とは?
LP(ランディングページ)は、縦長1ページ完結型 Weページです。一般的に、問い合わせや資料請求、購入などのコンバージョン(CV)を獲得することに特化したページとなっており、広告の誘導先としてよく活用されます。
LPでまず重要なのが、ページを開いて最初に目に入る「ファーストビュー」において、ターゲットの興味関心を惹きつけることです。そこから、自社の商品・サービスがターゲットが抱える課題の解決策となり得ることや、購入後のベネフィット、これまでの実績などをストーリー構成で一気に伝えます。
LP制作の全体フロー
LP設計の基本的な流れは以下の通りです。
STEP1. コンバージョン(CV)と指標(KPI)を決める
まず、LP で獲得したいコンバージョン(CV)を明確にします。一般的に、問い合わせや資料請求などが設定されることが多くなっています。その上で、「○件獲得」などの指標(KPI)を数字で具体化します。
STEP2. ターゲットを定める
自社の代表的な顧客像(ペルソナ)を設定します。その上で、ペルソナに響く訴求ポイントを整理します。
STEP3. 構成をつくる(ワイヤーフレーム作成)
ファーストビューから CV に至るまでのコンテンツの構成を設計します。コンバージョンに至る行動が起こる「問い合わせ」のボタンやバナーなどを、「CTA(Call to Action)」と呼びます。
STEP4. コピーとコンテンツを用意する
LP を構成するキャッチコピー・説明文・事例・画像などを準備します。
STEP5. デザイン制作
ターゲットにとって見やすく操作しやすいデザインにしましょう。PC だけでなくスマホからの閲覧も考慮します。
STEP6. 実装・テスト
デザインをもとにLPを実装し、動作・表示に問題ないかをチェックした上で公開します。
STEP7. 計測と改善(LPO)
LP公開後は定期的な分析を行い、改善を継続していきます。LP を目的達成のために改善することを「LPO(Landing Page Optimization =ランディングページ最適化)」といいます。
LP制作で最初にやるべきことは?
顧客に関する情報収集
ターゲットを定めるにあたり、既存顧客の行動や購買のデータなど収集します。そこから、ターゲットとするユーザーの悩みや意思決定のポイントなどを分析して整理します。
提供価値の棚卸し
競合他社との違いや自社ならではの実績など、ターゲットにとって価値だと感じられるであろう、自社の強みをまとめておきます。
以上が、LP制作の基本的な流れと、最初に取り組むべき点になります。
次に、失敗しないLP制作のために、どのような点に気をつけるべきか?数々の企業のLP制作支援を行ってきた、ディレクターバンク登録ディレクターの久野 紘揮さんに、成果につながるLP制作のためにまず着手すべきことをアドバイスしてもらいました。
現場のプロがアドバイス!失敗しないLP制作とは?

久野 紘揮
医療業界からWeb制作へ転身。制作会社では、集客/営業支援・デザイン・ディレクションをすべて経験。すべての視点を1人で兼ね備える最大の強みは、営業・設計・実装・運用で起こりがちな「ズレをゼロにすること」。
医療現場で培った「狂いのない設計力」を武器に、事業背景を深く汲み取った「根拠ある構成」から、顧客心理を突く「勝てる導線」の構築・運用支援を得意とする。
「独りよがりのLP」になっていませんか?ユーザーの未来像と自社の価値を重ねる
ーLP制作に取り組む企業がつまずきやすい点や、そこから生じやすい課題として、どのようなものがありますか?
久野:まず、「何をLPに盛り込むべきか」という部分で悩まれることが多い印象です。
そこで重要なのが、顧客や現場の情報を集めて顧客理解を進めることです。その上で、「ユーザーが自社を利用して、どんな未来を叶えたいのか」というゴールを明確にします。
すると、自社の強みのうちどの要素を軸にして、どう整理すればユーザーに価値として伝わるのかが見えてきます。「ユーザーの未来像」と「自社の価値」が重なることで、LPを成果につなげることができるんです。
一方で、そういった顧客理解が不十分だと、自社の強みをユーザーにとっての価値としてLPにうまく落とし込むことができません。「こういう取り組みもしている」「こういう実績もある」という引き出しはたくさんあるのに、それがLPの強みとして活用されていない状態です。
その結果、「独りよがりなLP」になってしまっているケースがよく見られます。これは、特に現場への関わりが薄い担当者の場合によく起こります。
他社を見ることで、自社の立ち位置や打ち出す軸が明確になる

ー自社の強みら軸とすべき要素を定め、「独りよがりなLP」にならないように整理するために、効果的な方法はありますか?
久野:自社を深掘りしたくなるかもしれませんが、優先して行うべきなのは「同業他社を見ること」です。他社を見ないと自社の立ち位置は見えてきません。
まず、「同業他社はどのような強みを打ち出しているのか」「類似サービスはどんな切り口で訴求しているのか」を把握しましょう。
具体的には、LPを開いたときに最初に目に入る「ファーストビュー」で、何をどう伝えているのかは必ずチェックしたい点です。「どんな悩みを提示しているのか」「誰に向けたメッセージなのか」を確認すると、他社が想定している課題感やターゲット像が見えてきます。
そうやって把握した点を、自社の方向性と照らし合わせます。同業他社との比較を通じて、自社が狙うべき立ち位置や、打ち出すべき軸が明確になるはずです。
また、数字での訴求も重要なポイントです。成果や実績を数値で示すことで、説得力が高まります。たとえば、業務改善のサービスであれば、「〇%削減」「導入社数〇社」などですね。
業種によっては第三者からの認定や受賞歴、資格などの権威性の訴求も効果的です。たとえば、「〇〇認定」「〇〇受賞」といった客観的な実績があれば、ファーストビューでしっかり訴求しましょう。
顧客の未来から逆算する導線設計ーLPを“広告”で終わらせない事業視点
ーLP制作で実際に成果を出している企業には、どのような共通点がありますか?
久野:「顧客目線」を優先している企業は強いですね。
顧客目線とは、単に「ユーザーの立場に立つ」という抽象的な話ではなく、ユーザーが抱えている課題と、その先の実現したい未来まで具体的に描けていることが重要です。
顧客目線は、LPの細かい設計にも表れます。たとえば、お問い合わせ手段。BtoBのLPでは「問い合わせフォーム」を設置することが多いですが、顧客に合わせて「電話」「メール」「LINE」など複数の選択肢を提示したほうが良い場合もあります。
また、その後の導線まで考えた設計も重要です。たとえば、資料請求後のサンクスページで「無料相談のご案内」を提示して申し込めるように設計する。そうすれば、お互いの日程調整の手間をできるだけ省き、ミーティングURLまでスムーズにつなげることができます。
顧客の未来を見据えた細かな設計を、LPの設計段階から積み重ねることができている企業は、成果が出やすい印象です。
ー「顧客目線」以外にも、成果を出している企業の特徴はありますか?
久野:LPを、単に「広告運用のためのページ」として見ない、という点は大きいと思います。
LPを活用するとなると、「広告で費用対効果を合わせる」「LP単体でお問い合わせを増やす」といった発想になりがちです。しかし、その発想では、LP経由で本来得られるはずの広がりを見落としてしまいます。
LPは、営業施策全体の接点のひとつと考えましょう。たとえば、商品AのLPがフックになって、商品BやCの購入につながることも十分にあります。「AのLP単体で費用対効果を合わせなければいけない」と考えてしまうと、本来広がるはずの可能性を見落としてしまいます。
LPを、広告運用だけにとどまらない、事業全体の導線のひとつとして捉えている企業は、成果を最大化しやすい印象があります。
業界ならではの強みを定量化、ハードルの低い資料請求から成約につなげる

ー久野さんが支援してきたLP制作案件のなかで、印象に残っている事例を教えてください。
久野:補助金の申請をサポートしているB社のLPを制作したことが印象に残っています。
補助金申請の分野では、「その会社に依頼すると、どれくらいの確率で採択されるのか」という点が重要視されます。そこでまず、B社の採択率を明確に算出しました。
次に、B社が申請を担当した補助金の全国平均採択率を調査したところ、全国平均を上回る実績であることがわかったんです。その事実を強みとして、ファーストビューに入れ込みました。加えて、第三者機関の認定も取得されていたので、実績の採択率と第三者の権威性、この2つを軸にLPを構成しました。
ただ、補助金支援の分野で、LPからいきなり成約につなげるのは、かなりハードルが高いものです。大手企業も参入していて、ブランド力や信頼感という面で正面から戦うのは簡単ではありません。
そこで、LPのコンバージョンを「成約」ではなく「資料請求」にして、まずは見込み顧客と接点を持つ設計を提案しました。資料請求というワンクッションを設けて、そこからコミュニケーションを取りながら成約につなげていく流れです。
結果として、資料請求では見込み度の高いリードを多く獲得できました。その後、メールで丁寧にフォローを行うことで、最終的に多数の成約にもつなげることができたんです。
強みを再定義し、事業視点で成果につながるLP設計を実践しよう
LPで成果を出すために重要なのは、自社の強みがユーザーにとってどのような価値になるのか、ユーザーが求める未来から逆算して再定義し、LPとして設計することです。自社の強みをただ詰め込むだけでは「独りよがりなLP」になりかねません。
自社の強みを再定義するには、競合と比較して自社の立ち位置を整理すると良いでしょう。そのなかで、軸として打ち出すべき強みを明確にします。
また、LPを単に広告の誘導先として捉えるのではなく、営業施策全体の導線のひとつとして考える視点も重要です。
ディレクターバンクでは、LP制作をはじめとしたWeb施策を、事業全体の視点から伴走支援しています。「自社に合ったLP設計を整理したい」「広告だけに依存しない導線を構築したい」とお考えの方は、お気軽にご相談ください。

東京都出身。2021年よりライターとして活動。Webマーケティング、法律、M&Aなど専門性の高い分野から生活情報まで幅広く執筆。SEO記事のほか、動画台本、社員インタビュー、導入事例記事、コラム記事などの制作にも対応。
理系出身のバックグラウンドを活かし、論理性と客観性を重視したコンテンツを制作。複雑なテーマをわかりやすく伝え、読者の理解と行動につなげる記事制作を大切にしている。