ディレクターバンクブログ
【ウェビナーレポート】Webマーケティング オンライン相談室「検索順位が落ちてきたのは、AIのせいですか?ーAI検索対応のコンテンツマーケティングとは?【前編】」
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2026年5月28日(木)、「Webマーケティング オンライン相談室」(主催:ディレクターバンク株式会社)が開催されました。このオンライン相談会では、Webマーケティング担当者からよくあるご相談をテーマに据え、各テーマを専門領域とするディレクターがアドバイザーとして回答します。
今回は「検索順位が落ちてきた気がするのはAIのせいですか?」というご相談をベースに、AI検索の最新動向と、Webマーケティング担当者が押さえておくべき基礎知識を解説。アドバイザーは、オウンドメディア運営やコンテンツマーケティングを専門領域として、AI検索対応にも詳しいディレクターの峯林 晃治さんです。
目次
登壇者
話し手
峯林 晃治
ディレクターバンク株式会社 シニアディレクター

1977年生まれ 京都府出身 同志社大学経済学部卒業
営業、Webディレクター、SEOコンサルタントを経て、2013年にジャストシステムに入社。
ネットリサーチ(Fastask)やBIツール(Actionista!)など主にBtoB領域のデジタルマーケティングに携わる。
特に、リード獲得を目的とした自主調査においては7年間で累計400件以上を企画、実施し獲得したリード(企業の名刺情報)は述べ60000件を超える。オウンドメディアの運用、メルマガ配信などで多数の商談創出実績あり。
聞き手
棟近 直広
ディレクターバンク株式会社 代表取締役

Webマーケティング支援ディレクター。お客様の事業運営の視点にたって、ゼロイチの状態から、戦略策定、実行改善までトータルに支援するのが得意。
ディレクターバンク株式会社を2016年設立。300名超のWebのプロフェッショナル人材バンクを構築し、様々な業界のWebマーケティング支援を手がける。前職のニフティ株式会社では、数多くのWebサービス事業の立ち上げ、推進業務に携わる。
1970年兵庫県姫路市生まれ。山羊座のB型。好きな食べ物は「大福餅」。
AI検索の登場で自然検索からの流入は減っているが、下げ止まり感も
棟近:はじめに、自然検索とAI検索の現状について教えてください。
峯林:前提として、AI検索によって自然検索からの流入が減っているのは確かです。ただ、BtoBに関して言えば、CVは特に減っておらず、流入の減少も最近は下げ止まりを感じます。
BtoBで自然検索からの流入が減ったのは、Google検索でAI Overviewが表示されるようになった影響が大きいと考えています。
棟近:現在、ほとんどのキーワードでAI Overviewが表示されている状況ですか?
峯林:BtoB企業のお客様が検索するようなキーワードの多くでAI Overviewが表示されます。特に、「〇〇とは?」「〇〇 おすすめ」「〇〇 比較」といったキーワードでは、AI Overviewが表示されることがほとんどです。こういったキーワードからの流入を狙ったコンテンツが中心だったサイトでは、特に大きく流入が減ったのではないかと思います。
AI検索対策はSEOの延長線上。では、SEOを正しく捉えられているか?

峯林:従来のWebマーケティングでは、顧客がWebやSNSを通じて企業と直接つながっていましたが、AIの登場により、顧客と企業の間に「AIエージェント」が介在するようになりました。AIエージェントは顧客に代わり検索を行います。
棟近:AI検索への対応は、SEOの延長線上にあるという話もよく聞きますね。
峯林:はい。AI検索への対応はまったく新しいものではなく、SEOの延長線上にあるというのは、間違いありません。
特にGoogleに関しては、「SEOのベストプラクティスを適用する」と公言しています。Googleには20年以上蓄積されたデータとシステムがあるので、当然それをAI検索にも最大限利用するでしょう。
ただし、あくまでGeminiやAI OverviewsなどGoogleプラットフォームの場合です。なぜならChatGPTなどプラットフォームによってAI挙動は異なるからです。当然ながら、生成結果も異なります。
立体的な「エンティティ」の安定性が検索エンジンの評価につながる

棟近:SEOの延長線上で、そのロジックがさらに進化しているという感じでしょうか。
峯林:そうですね、SEOをどう捉えるかが重要だと思います。SEOを理解するには、Google検索というシステムのメカニズムを知る必要があります。SEOというとキーワードを入れる、ブログ記事をたくさんつくることだと思われがちですが、そうではありません。
Google検索では、まず、クローラーというプログラムがインターネットを巡回して情報収集を行い、検索インデックスを作成します。Google検索の結果に表示されるには、前提として検索エンジンにインデックスされる必要があります。
検索が行われると、インデックスからさまざまなアルゴリズムに基づきランキングがなされ、検索結果が表示されます。
現在、ランキングの仕組みは非常に複雑化しています。そのなかで重視したいのが、「エンティティ」です。直訳では「実体」といった意味があります。現在の検索エンジンは、キーワードに対して単なる文字列の一致で検索結果を出すのではなく、キーワードから推測される検索意図とのマッチ度合いを以下のような要素から立体的に導き出しています。
- 検索意図との合致(ページ評価)
- 外部リンク等(第三者による評価)
- E-E-A-T(発信者の特定)
- ユーザー行動(利用者による評価)
これらの要素からなる「エンティティ」の安定性が、検索エンジンからの評価につながります。
この評価は、リアルタイムだけでなく時系列でも行われます。たとえば、ひとつの媒体でいきなり口コミが増えたといった状況は、検索エンジンからあまり信頼されません。一次的に評価されたとしても、一過性のものとしてすぐに評価が落ちる可能性があります。
逆に、複数の媒体で昔から口コミなどで言及されているサイトは、検索エンジンから信頼されます。
ドメインパワーだけじゃない、自社だからこそできる情報発信を考える
棟近:挙げていただいたエンティティの要素のなかで、「E-E-A-T」※はよく聞く言葉ではあるものの、わかりにくいところがありますよね。
※E-E-A-T:Experience(経験)・Expertise(専門性)・Authoritativeness(権威性)・Trustworthiness(信頼性)
峯林:「E-E-A-T」は、簡単に言えば「誰がそれを言っているのか?」という、情報の発信者の特定です。「E-E-A-T」は、それが重視されるようになった背景や、Googleが何を求めているのかを考えるとわかりやすいはずです。
2010年代後半ぐらいまでは、たとえば検索エンジンで「〇〇(病名)治療」といった検索をしたときに、信頼性が非常に乏しいページが上位表示される時代がありました。上位表示に信頼できない情報が蔓延すると、検索エンジンが使われなくなってしまうので、Googleにとっては死活問題です。
そういった状況を踏まえて、評価の基準となったのが「E-E-A-T」です。
今のGoogleは、情報を発信しているのがどんな発信者かを強く評価します。その評価としてドメインの強さ(主に被リンク数やドメインのタイプ)も影響します。ただし今は、ドメインの強い会社が検索結果で無双できるとは限りません。いかにドメインが強い企業でも、その会社の文脈に合ったコンテンツでないと上位に出てこないところがあります。
たとえば、グローバルなPCメーカーや機器メーカーがあって、その会社が脱炭素についてのキーワードで上位表示を狙いたいとします。そのメーカーは脱炭素の取り組みに積極的だっとしても、検索結果に表示されるのは、脱炭素関連のサービスを提供しているSaaSなどです。
棟近:ドメインの強い会社でも、あくまでも特定のテーマのなかでの強いということであって、他のジャンルではそうではないということですね。
峯林:そうです。大企業でも、得意ではない領域でコンテンツを投下するのはコスパが悪い。逆に、中小企業でも、得意な領域なら勝ち目があります。
大手企業は広報のチェックが厳しく、情報発信が制限されるところがあります。大手企業では発信できない、中小企業だからこそ言えることもあるはずです。たとえば、「自分の体験はこうで、だから自分はこう思う」などの、個別具体的な体験に基づいた発信などもおすすめです。今は、そういった独自性のある発信が評価される時代になりつつあります。
執筆者のネームバリューや事例コンテンツも効果的に使おう
棟近:ドメインの他に、コンテンツの執筆者のネームバリューも評価に影響しますか?
峯林:ドメインパワーも、執筆者が誰かということも、両方が影響します。そのため、サイトの運営者はどんな会社で、コンテンツの執筆者は誰なのかを明示することが重要です。執筆者については、受賞歴やセミナー登壇歴などがあれば、もれなく記載しましょう。
ただし、ドメインパワーと同じく、どんなに有名な執筆者でも、専門領域以外のコンテンツでは、そのネームバリューは評価されません。
棟近:独自性という点で、事例コンテンツが効果的だという話も聞きます。
峯林:検索エンジンでもAI検索でも、実態としての支援実績の有無は評価の対象となるので、事例コンテンツは効果的です。独自性という点でもそうですね。
また、GeminiやChatGPTなどの生成AIが候補を絞り込む際に、必ずと言っていいほど実績、事例、口コミなどが参照されます。
棟近:事例コンテンツを作成する場合、顧客の社名を具体名を出したほうが良いのでしょうか?
峯林:可能であれば社名を出して写真などがあると、なお良いです。社名を出すことで、その事例の実存性を明示できます。
AI検索はユーザーにおもねる?パーソナライズが強いのが特徴

棟近:Google以外が提供している、ChatGPTなどのLLMについての対策には、違いがありますか?
峯林:代表的なLLMとしてChatGPTについてお話ししますが、GhatGPTもGoogleと似たようなメカニズムだと考えられます。
具体的には、学習用クローラーによるLLM学習をベースに、インデックス用クローラーが高速回答のためのインデックス生成し、プロンプト入力時にエージェントクローラーが走り、回答が生成されます。
また、Google検索と同じように、言及されている文脈、情報の発信者、時系列で見たときの安定性など、エンティティを理解した評価を行っていると考えられます。
AI検索ならではの、事前学習の影響やプラットフォームの視点
棟近:ChatGPTを運営するOpenAIは自社で検索エンジンを持っていないため、インデックスなどには他社の検索エンジンが使われているのでしょうか?
峯林:学習についてはインターネット以外の情報源も使っていると思いますが、インデックス用クローラーやエージェントクロラ―は検索エンジンを使っているはずです。
ただ、自然検索と違うのが、あらかじめ学習された情報の影響も強いという点です。そのため、昔から積極的に情報発信をしており、自社サイトはもちろん、それ以外のさまざまな場所にも情報の蓄積がある企業のほうが、AI検索において有利と考えられます。たとえば、生成AIに「SEOに強い会社は」と聞くと、大手のSEO会社が引用されやすい状況です。
棟近:AI検索では、最新情報がキャッチアップされていないということもありますか?
峯林:ChatGPTでも現在はプロンプト入力時にリアルタイムでの検索が行われるので、最新情報のキャッチアップも可能だと思います。インデックスに関しては、Google検索と同じように頻繁に行われているようです。
ただし、学習用クローラーの学習頻度は公表されておらず、体感的にはやや遅めです。たとえば、Webサイトをリニューアルして更新した情報が2カ月経っても反映されないということもあります。AI検索も、クローラーに来てもらわないことには情報が学習されず、引用されません。
AI検索の特徴として、自然検索に比べてパーソナライズが強いことがあげられます。生成される回答は、ユーザーの趣味嗜好や興味関心にマッチしているかどうかによって、フィルタリングが行われています。
検索エンジンは検索を使ってもらうことを目的に、検索結果の質の向上に注力していました。AI検索では、おそらくユーザーに課金してもらうことを目的として、ある意味「ユーザーにおもねる」回答をする傾向にあると考えられます。
AI検索での引用はGA4ではわからないが、サーバーログならわかる
棟近:Webサイトのアクセス分析で、AI検索は流入元チャネルとしてどう表示されますか?
峯林:AI検索からユーザーがサイトを訪れた場合、GA4ではReferralにカウントされ、パラメータからAI検索からの流入だとわかります。しかし、エージェントクローラーのアクセス自体はGA4ではカウントされないため、AI検索に引用されただけではPVとして表れません。
棟近:GA4以外で、エージェントクローラーのアクセスを知る方法はあるのでしょうか。
峯林:サーバーログにはエージェントクローラーのアクセスが残ります。情シス部門などでサーバーログを確認できるならば、クローラーが来ている頻度などをチェックできるはずです。
たとえば、自然検索からの流入は減っていても、AIエージェントからのアクセスは増えているかもしれません。今後は、AIエージェントからのアクセスも、自社の取り組みがどう波及しているかを評価する判断材料になるかもしれません。今後、そのためのツールもプラットフォームから出るかもしれませんね。
まずはWebサイトの見直しから、情報発信のサイクルを整えよう
棟近:AI検索対応をSEOの延長線上と捉えたときに、具体的に何から着手すべきと考えますか?
峯林:SEOでもAI検索対応でも、自社がどういう会社かという情報の発信・管理をインターネット上で戦略的に行っていく、レピュテーション・ビルディングと呼ばれるような考え方が重要になっています。
そのために、まずは自社のWebサイトを現在地に合わせて最新化しましょう。そもそもそれができていない会社が多いと感じます。たとえば独自の技術や実績、最新の情報など、自社がどういう会社かわかる情報をすべて載せます。会社概要や、採用ページの見直しも行いましょう。
その上で、インターネット上のさまざまな媒体で言及されるよう取り組みます。たとえば、プレスリリースや他社とのコラボレーション、取材を受けるなど。広報的な取り組みも入ってきます。そういった取り組みにより、特定のキーワードで検索順位を上げるだけでなく、デジタル上での自社の評価そのものを高めていくことが重要です。
棟近:自社のWebサイトの外にも、自社の情報があることが重要なんですね。SNSでの評価も、AI検索に影響するものでしょうか。
峯林:影響があるはずです。実際、XのポストやGoogleの口コミは、検索結果にも表示されます。自社についてのインターネット上での言及を増やすには、新たな成果や実績などが出たときに、まずはWebサイトに掲載して、プレスリリースを出すというサイクルを回せると良いですね。それが他のメディアに取り上げてもらえれば、認知が広がり、自社についての言及数も上がるはずです。
ウェビナーを受けて参加者からの質問
Q:たとえば、FAQ形式が良いといった話も聞くのですが、実際にどのような記事を作るとAI検索で引用されやすいですか?
峯林:FAQ形式が良いという話の本質は、Qに対するAが明示されていることです。
生成AIは答えを出したいので、答えが明示されているページを引用したほうが効率的で、好まれる傾向にあります。そのため、AI検索対応という点でも、たとえば料金ページには「料金ページ」、サービス紹介ページには「サービス紹介」と明示したほうが良い。ナビゲーションなどにも同じことが言えます。
ただし、そのWebサイトが信用できるものであるという前提があります。
棟近:文章の語尾が断定口調といったことも影響しますか?
峯林:なんでもかんでも言い切れば良いわけではありませんが、わかりやすさが好まれる傾向からすると、影響はあると思います。
Q:今後のAI検索時代においてコンテンツマーケティングのKPIはどこに設定すべきでしょうか?
峯林:AI検索の利用が広がるなかで、PVやCVにつながる、本当に表示されるべきクエリで表示されることがますます重要になっいます。たとえば「〇〇とは?」というキーワードでページが表示されても、PVやCVにはあまりつながりません。
KPIとしては、PVもしくはCVの質を設定すると良いでしょう。
まず、ターゲットとするユーザーがどのようなキーワードでAI検索を行っているのかを特定したうえで、そのキーワードでAI検索をしたときに自社が引用されるかどうかが指標になります。
また、ユーザーだけでなくAIエージェントが検索するクエリファンアウトも特定したいところです。そのための問いをどう立てるかというところを、次回の相談会で実際にAI検索を行いながら見ていきたいと思います。
→2026年6月4日開催 Webマーケティング オンライン相談会「結局、AI検索対応って何をすればいいんですか?-AI検索対応のコンテンツマーケティング【実践編】」への参加申込はこちら
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山口県出身。京都大学文学部卒。国文学専攻だったので源氏物語など王朝物語に普通より少しだけ詳しい。
EC企業(マーケティング、コンテンツ制作担当)、EC業界向けメディア(記事の執筆・編集、メディア運営を担当)を経て、2017年に独立。
ライター・編集者として、紙媒体・Web媒体問わず幅広い分野の記事を企画から執筆まで対応。Webマーケティング、ECのオウンドメディアコンテンツ、採用インタビュー、事例取材などの実績多数。

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